ソイの生態や、ルアーフィッシングで人気がでた理由などをお話します
日本列島において身近な釣りの対象魚として広く親しまれているメバルやカサゴ・ソイの仲間についてのお話です。
これらフサカサゴ科は沖合の深海に生息する白身魚としても有名なアコウダイやメヌケと共に、かなり大きなグループを形成しています。
20世紀まではフサカサゴ目という独立した分類群とされてきましたが、21世紀以降の研究によりスズキ目とみなされ、一般に広く知られるスズキやタイ等の魚とより近縁な地位に置かれる事となりました。
ゴツゴツと刺々しい身体と鋭い背びれ、そして目と口が大きな愛嬌ある顔が特徴であり、国内においては多くの種類が比較的水温の低い日本海や東北・北海道を中心に分布しています。
複雑な岩礁帯を住処にしており、ほぼ同じ習性を持つ南方系のハタ科の魚とは水温により住み分けをしています。
もちろん例外もおり、熱帯地方には鰭が長く優雅なミノカサゴが生息しており有名ですし、国内本土の沿岸にも夏場を中心にかなり高い水温を好むムラソイが初夏の釣りの好ターゲットとなっています。
特にソイの仲間は港湾や小磯・ゴロタ浜など大変身近な環境に生息し、食べても白身で大変上品な味で喜ばれる事から、古くから釣りの対象魚として高い人気を誇って来ました。
かつてはエビ餌や小魚の泳がせ釣り、あるいはイソメを使ったブラクリ釣りといったライブベイトを利用した釣りが親しまれてきましたが、現在は彼等が持つその狂暴な性格を利用したルアーフィッシングも盛んに行われています。
特にムラソイの場合、大きくなってもたかだか35センチ弱という大きさであるに関わらずルアーゲームのターゲットとして大きな人気が出た理由は、その手軽さとスリル感でしょう。
ワームや小型のミノープラグを彼等が潜んでいそうな浅場の岩の穴の中に差し入れチョイチョイを誘っていると、突然穴の隙間から電光石火の様に飛び出しルアーを咥え元の穴に持ち込もうとします。
その瞬間が堪らなく面白く多くのルアーマンを虜にしているのです。
それも水深30センチ程度の安全なゴロタ場で磯遊び感覚でチャレンジ出来るのですから子供でも安全。人気が出ない訳は無いのです。