日本において、1年間の食材廃棄量がどれくらいなのかご存知ですか?
食べる、それは食材の命をいただくこと
食事の時、あまり聞かなくなった言葉が二つあります。 (いただきます)と(ごちそうさま)です。
私は終戦の時が少学校三年生でした。
毎食の時、必ず手を合わせて(いただきます)と言い、食事が終わったら(ごちそうさま)と言いました。それを言わないと親に叱られたし、食べ残しをすることなどは論外でした。
厳しく叱られました。昭和二十年前後の食料事情と現代の食料事情は比較することも出来ません。
いつでも好きなものが食べられる現代に食事の時、手を合わせて(いただきます)と言い、食事が終わったら(ごちそうさま)と言いなさいという方が無理なのかもしれません。
最近、食材の廃棄が社会問題になってきています。
仕事の関係で必要に迫られてそのことをネットで調べて驚きました。一年間に廃棄される食材が1,700万トンでその内、まだ食材として食べることが出来るものが500~800万トンも含まれているといいます。
この量がどの位のものなのか想像すら出来ません。
さらに驚いたことがあります。このデータの一角に「5秒」というキーワードがあり、そこをクリックしなさいとありましたので、クリックしてみることにしました。
「5秒」という数字は「5秒」に一人の人が世界のどこかで餓死をしているというキーワードだったのです。余りにも問題が大きすぎて論評すらできません。
このことを前段として、私の仕事と関連する話題に移リます。最近、朝食を摂らない若いサラリーマンや学童が多いと聞きます。
いろんな事情や都合があるとは思います。しかし東洋医学の立場から言えば、朝食を摂らないことは臓器の機能から考えれば最悪の選択になります。
胃に関係するものを胃経と言いますが、この胃経が一番活発に働くのが、朝の7時前後の1時間です。
つまり6時~8時の3時時間なのです。
この時、朝食を抜くと身体にエネルギーが行き届かず、体温と血糖値が上がりません。 目覚めの悪い状態で勉強や仕事の能率が上がらないのです。
集中力が低下して午前の活動に支障をきたします。
食事でとる糖質はグリコーゲンとして肝臓や筋肉に蓄えられます。それが出来にくくなり、一日の活動に支障が出るばかりか脳や身体に疲労が蓄積されていきます。
一方で想像することすら出来ない量の食材を破棄していながら、最も必要な朝食を摂らないという、この歪は80歳の老人には到底理解が行きません。
しかし食が血になり肉になるといいます。また食べるということは、食材の命をいただく訳ですから、食事の時は手を合わせて(いただきます)と言い、食事が終わったら(ごちそうさま)と言いたいものですね。