サッカーとラグビーは元々は同じ競技でした
サッカーとラグビー、この2つの競技は元々同じだったというのはご存知でしょうか。
かつてはサッカーからラグビーが生まれたともいわれていましたが、実は元々1つの競技があって、そこからサッカーとラグビーが枝分かれしたという説が、今では採られています。
この2つの競技の大元は、モブ・フットボールといわれるものでした。
これはヨーロッパで年に1度の祭の時などに、村人が二手に分かれ、それぞれのゴールを決めて、ボールを様々な方法で押し合いへし合いしながら、相手のゴールまで持って行くスタイルのものでした。
あまりに過熱した挙句、死者が出ることもたびたびで、禁止令が何度も出されたといわれています。
その後パブリックスクール、全寮制の私立学校で、このモブ・フットボールが教育の一環として持ち込まれました。
この場合は校庭で行うわけですから、決まった範囲内でプレーをするためのルールが必要になります。
そのルールは、学校ごとに決められていました。そのため他の学校のグラウンドでの試合、いわゆるアウェーの試合の時は、ルールが違って困るという事態が起きました。
その時有力候補となったのが、イートン・ルールとラグビー・ルールです。イートン・ルールの方は、手の使用を一切禁じたものでした。
これに対してラグビー・ルールは、手の使用を認めたものでした。この両者が互いに譲らなかったため、学校のフットボールは2つの形に変化して行きます。
イートン・ルールに代表されるアソシエーション・フットボール、つまりサッカーと、ラグビー・ルールに代表されるラグビー・フットボール、つまりラグビーです。
この2つはそれぞれに統括団体を作り、サッカーは選手権方式、誰が一番強いかを決める方式でプロを早くから認めたため、世界中に広まって行きました。
一方ラグビーは対抗戦方式、どちらが強いかを決める方式で、20世紀末にプロ選手が認められたため、世界中への普及はサッカーより遅れましたが、今はワールドカップやオリンピックへの参加で、知名度を上げて来ています。