鏡の中の自分が左右対称になるのに、上下はならないのはなぜ?
鏡に映る自分の姿は、左右が逆になっています。
でも、上下はそのままです。
どうして、こういうことが起きるのか。
誰でも、一度ならず疑問に思ったことがあると思います。
この話は、ずいぶん昔からあって、いろいろな雑学の本にも載っています。私も、いろいろな本で、いろいろな説に触れてきました。
一番多いのは「重力が関係しているから、地上では、必ずそうなる」と言うものです。
この、重力説が有力なような気がしますが、残念ながらそうではないようです。
なぜなら、ロケットで宇宙に行って、大きな鏡をもって、宇宙船から外に出て、その鏡で自分の姿を映したら、やっぱり左右が逆で上下は変わっていないことに気づくと思います。
もちろん、宇宙空間では重力がありませんから、地上と同じように、上下の区別がつかないと思われるかもしれませんが、頭が上で、足が下と決まっていれば、たとえ宇宙空間でも
地上と同じ現象が起きます。
ですから、重力のあるなしは、まったく関係ありません。
では、この問題の答えは何でしょうか。
それは、私たち人間の姿そのものにあります。
人間は、上下は全く違う形をしていますが、
左右は対称(シンメトリー)です。
ですから、右手が左手に置き換わっても、違和感がないのです。
でも、頭と足はそうはいきません。
鏡に映った自分を見たとき、頭と足は、全然形が違いますから。
絶対に置き換わることはありません。
頭は、頭ですし、足は足です。
でも、右腕と左腕。右足と左足が置き換わっても見た目上は、まったく違和感なく見ることができます。
本当は、右腕は鏡の中でも右腕ですし、右足は右足です。
でも、左右とも同じ形をしているために、あたかも、入れ替わっているように見えるだけです。
言われてみれば、なんだそんなことか、と言われそうな話ですが、意外と気づかないかもしれません。
もし、人間の姿が、上下だけじゃなく、左右も全く違う姿だったらどうでしょう。
鏡の中の自分は、上下も左右も変わらないと思えるはずです。
よって、答えは
「人間が左右対称の姿をしているから」と言うことになります。